赤ちゃんの視力は、生まれたばかりでは0.01くらいしかないと言われています。その後にくっきりとものを見るということによって発達していきます。これができないと弱視といって視力が発達せず、大人になっても見づらいままになってしまいます。弱視には以下の種類があります。
弱視の種類
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斜視弱視
片方の目線がずれている状態では、その目はものをしっかりと見ていない状態になり、視力が発達しません。
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不同視弱視
片目に強い遠視や乱視があると、その目はぼんやりとしか見えない状態になり、視力が発達しません。
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屈折異常弱視
両目に強い遠視や乱視があると、両目ともぼんやりとしかものが見えず、視力が発達しません。
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形態覚遮断弱視
重症の先天性眼瞼下垂や先天性白内障があるとものを見ることができず、視力が発達しません。また、片目のみの眼帯を長時間した場合にも同様のことが起こることがあります。
上記の場合、手遅れになる前に発見し、治療を開始しないと間に合いません。乳幼児は自分で見にくいと訴えることができないことが多く、わが国では3歳児健診で発見されることが多いです。現在ではビジョンスクリーナーというカメラタイプの屈折・眼位検査機器が有用です。乳幼児でも簡単に検査でき治療の経過観察にも役立ち、当院でも導入しております。
治療は弱視治療用眼鏡の処方が基本で、必要に応じてアイパッチをします。また、斜視などで手術が必要な場合は三重大学などの斜視弱視専門医に紹介しています。
ビジョンスクリーナー
低濃度アトロピン点眼による
近視進行抑制治療について
当院では低濃度アトロピン点眼を用いた小児の近視進行抑制治療を行っております。
リジュセアミニ0.025%
マイオピン0.01% 0.025%
子供の近視は主に眼球が前後に楕円形に伸びてしまう(眼軸長が長くなる)軸性近視です。一度眼軸長が長くなると元に戻ることはありません。近視がどんどん進行すると、将来的に緑内障、網膜剥離、近視性黄斑変性などのリスクが高くなります。低濃度アトロピンは、毎日点眼を続けることによって、近視の進行を2年間の調査で60%抑制することができたと報告されています。
調査は6歳から12歳を対象に行われ、重篤な副作用の報告はありません。
当院では3か月ごとに近視の度数を測定し、近視進行の判定をします。また、定期的な眼軸長の測定も行い、グラフ化したものをお見せしています。
毎日1日1回寝る前に点眼してください。点眼中も近視の矯正効果はありませんので、眼鏡やコンタクトレンズなどは必要に応じて使ってもらいます。オルソケラトロジーとの併用もできます。保険適応はありませんので、診察、検査も含めて自費診療になります。
税込価格
マイオピン0.01% | 1本 | 2,970円 |
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マイオピン0.025% | 1本 | 3,300円 |
リジュセアミニ0.025% | 1箱 | 4,380円 |
診察&検査代 | 1回 | 2,750円 |
メガネ、コンタクトレンズ処方 | 1回 | 2,750円 |
※マイオピンは新規に輸入ができなくなったので院内在庫がなくなり次第終了となり、以降はリジュセアミニ0.025%になります。
- また、低濃度アトロピン点眼使用中の診察、検査やメガネ、CL処方は自費となります。低濃度アトロピン点眼と関係がない病気の診察と治療は保険で行います。
- 検査は初回、1カ月後、その後は3カ月毎を基本としています。